「副業を始めたいけど、会社にバレるのが怖い…」
「もしバレたら、何か不利益があるんじゃないか…」
会社員の方が副業を考える際、収入アップやスキル習得といった期待感の裏で、このような不安を抱える方は少なくありません。特に、就業規則での副業禁止や、会社からの評価への影響を心配される方もいるでしょう。
この記事では、副業が会社にバレる主な原因と、その対策、そして最も重要な「就業規則の確認」について徹底的に解説します。
残念ながら「完全にバレない方法」は存在しませんが、リスクを最小限に抑えるための具体的な方法をご紹介します。ぜひ、副業を始める前にこの記事を読んで、正しい知識を身につけましょう。
なぜ副業は会社にバレるの?主な原因を徹底解説
副業が会社にバレてしまう原因はいくつかありますが、特に多いのは以下の3つです。
1. 住民税の金額変動(特別徴収)
これが最もポピュラーで、かつ決定的なバレる原因となることが多いです。
会社員の場合、通常、住民税は毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という形で納められています。副業で所得が増えると、その分住民税の額も増えます。会社は社員の住民税額を把握しているため、給与額に見合わない住民税の増加があると、「あれ?何か副業でもしてるのかな?」と気づくきっかけになることがあります。
特に、副業で「給与所得」(アルバイトなど)を得た場合、本業と副業の給与所得が合算されて住民税が計算されるため、会社にはその合計額に基づく住民税額が通知されます。この場合、給与以外の所得として分離することが難しくなります。
2. 人からの情報(同僚、知人、SNSなど)
意外と多いのが、人からのうっかり話や、SNSでの情報漏洩です。
- 同僚からの密告や噂: 会社の同僚にうっかり話してしまったり、どこかで副業をしている姿を見られたりすることで、噂が広まり、会社に知られることがあります。
- SNSでの情報発信: 副業に関する内容をSNSに投稿した際、個人情報(顔、氏名、勤務先、活動地域など)が特定され、それが会社関係者の目に触れることで発覚するケースです。
- 取引先からの情報: 副業で関わった取引先が、偶然にも本業の取引先と繋がりがあったり、間接的にあなたの副業を知り、会社に伝わってしまうこともゼロではありません。
3. 本業への影響(パフォーマンス低下、疲労など)
副業に熱中しすぎて本業がおろそかになったり、睡眠不足で集中力が低下したりすると、上司や同僚から不審に思われることがあります。
- 業務パフォーマンスの低下: 残業を断る、急な休みが増える、業務の質が落ちるなど。
- 疲労感の表出: 寝不足でボーッとしている、体がだるそうに見えるなど。
これらの変化は、会社側が副業を疑うきっかけとなり得ます。
【最重要】副業を始める前に必ず就業規則を確認しよう
副業が会社にバレるかどうかの問題以前に、最も重要視すべきは「会社の就業規則」です。就業規則に違反した場合、重い処分を受ける可能性もあります。
就業規則とは?なぜ確認が必要?
就業規則とは、労働者の労働条件や職場で守るべき規律などを定めた、いわば「会社のルールブック」です。従業員は、就業規則に沿って働く義務があります。
多くの会社では、この就業規則に副業に関する規定が明記されています。規定のパターンは主に以下の3つです。
- 副業「禁止」: 一切の副業を認めないケース。
- 副業「許可制」: 会社の許可を得れば副業が可能なケース。
- 副業「届出制」: 副業を始めることを会社に届け出れば良いケース。
- 副業「自由」: 特に規定がない、または副業を推奨しているケース。
「ウチの会社は副業禁止だから無理…」と諦める前に、まずはご自身の会社の就業規則を必ず確認しましょう。就業規則は、人事部門に問い合わせれば閲覧できることがほとんどです。会社によっては、社内イントラネットなどで公開されている場合もあります。
【参考情報】
* 厚生労働省:副業・兼業の促進に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
(副業・兼業の基本的な考え方や、モデル就業規則などが掲載されています)
就業規則を確認せず、隠れて副業を行い、万が一バレてしまった場合、**懲戒処分(減給、出勤停止、最悪の場合は解雇)や、会社に損害を与えたと判断されれば損害賠償を請求されるリスク**も考えられます。必ず就業規則を理解し、それに沿った行動をしましょう。
会社にバレないための具体的な対策(リスクを最小限に)
就業規則を確認し、副業が認められると分かったら、いよいよ具体的な対策です。完全にバレない保証はありませんが、以下の対策でリスクを最小限に抑えることができます。
1. 住民税の徴収方法を「普通徴収」にする
これが最も効果的な対策の一つです。
副業で得た所得(給与所得以外、例えば事業所得や雑所得)に対する住民税は、確定申告の際に「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、会社の給与から天引きされる「特別徴収」とは別に、自宅に納付書が届くようにできます。
確定申告書Bの第二表にある「住民税に関する事項」で、「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」欄で「自分で納付」にチェックを入れましょう。
【注意点】
- 給与所得の場合: 副業がアルバイトなどの「給与所得」の場合、原則として普通徴収を選択できません。この場合、本業の会社に副業の給与情報も伝わり、住民税額の増加からバレる可能性が高まります。
- 会社の処理ミス: 稀に市区町村の処理ミスや、会社の経理担当者が普通徴収の区分を認識せずに特別徴収の金額で処理してしまうケースもゼロではありません。
- 雑所得と事業所得: 副業の所得が「雑所得」ではなく「事業所得」と認められる場合は、青色申告を利用して節税しながら普通徴収を選択できます。
2. SNSや知人への発信は徹底的に管理する
- 匿名アカウントの利用: 副業用のアカウントは、本名や顔出しを避け、会社名や会社が特定できる情報を一切出さないようにしましょう。
- プライベートな情報との切り離し: 副業アカウントとプライベートなアカウントは完全に分け、相互にリンクさせないようにします。
- 発言内容に注意: 会社の不満や、本業を連想させるような発言は避けましょう。
- 知人への口止め: 副業をしていることを知人に話す場合は、他言しないようにお願いしましょう。
3. 本業に支障をきたさない
これが最も基本的なことですが、非常に重要です。
- 時間管理の徹底: 副業に時間を使いすぎず、本業の業務時間外に行うことを徹底します。
- 体調管理: 睡眠時間を削りすぎず、体調を崩さないように気をつけましょう。本業のパフォーマンスが落ちれば、疑われるきっかけになります。
- 会社の備品・情報は絶対に使用しない: 会社のPC、機材、情報、取引先リストなどを副業で利用することは、情報漏洩や不正競争防止の観点から絶対にやめましょう。
4. ストレスマネジメント
隠れて副業を行うことは、少なからずストレスを伴います。そのストレスが、精神的な不調や、うっかりとしたミスに繋がり、結果的にバレる原因となることもあります。
- 無理のない範囲で: キャパシティを超えた副業は、心身の健康を損なうだけでなく、バレるリスクも高めます。
- 情報収集と計画: 不安を解消するためにも、事前に情報収集をしっかり行い、無理のない計画を立てることが重要です。
それでも「バレるリスク」を完全にゼロにできない理由
ここまで様々な対策をご紹介しましたが、残念ながら**「絶対にバレない方法」は存在しません。**
- 住民税のイレギュラー: 上述のように、普通徴収を選択しても、市区町村や会社の処理ミスでバレてしまう可能性はゼロではありません。また、税制や制度の変更により、現状の対策が通用しなくなる可能性もあります。
- 人の口に戸は立てられない: どんなに気をつけていても、何かの拍子に知人から情報が漏れてしまう可能性は常にあります。
- 完璧な情報管理は難しい: SNSなどデジタルツールが普及した現代では、意図しない形で情報が繋がってしまう可能性も考慮すべきです。
これらのリスクを完全に排除することはできないため、「バレる可能性はゼロではない」という認識を持つことが重要です。
まとめ:リスクを理解し、あなたにとって最適な副業スタイルを
副業は、収入アップやスキルアップ、自己成長といった多くのメリットをもたらしてくれます。
しかし、会社員の方が副業を始める際には、就業規則の確認を最優先し、その内容を遵守することが何よりも大切です。
「隠れてやる」という状態は、常にバレるかもしれないという不安を伴い、それがストレスになることもあります。
リスクを十分に理解し、あなたにとって最も安心できる形で、充実した副業ライフを送ってくださいね。

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